
Blackmagic Designの発表によると、コマーシャル、テレビ番組、長編映画の分野で豊富な経験を持つエディター兼カラリストであるオリバー・ピーターズ氏が、ドキュメンタリー作品「The Real Yellowstone」の編集にDaVinci Resolve Studioを使用したという。
ピーターズ氏は、受賞歴のある監督であり、人権活動家でもあるトム・オプレ氏から、同氏のドキュメンタリー作品「Killing the Shepherd」の再編集の依頼を受けたことをきっかけに、オプレ氏のその後の2作品「The Last Keeper」および「The Real Yellowstone」を編集する契約を結んだ。これらの作品は、本当の意味での自然保護とは、野生動物に最も近い環境で生きる人々への敬意から始まることを伝えている。
ピーターズ氏は次のようにコメントしている。
ピーターズ氏:「Real Yellowstone」は、私がオプレ監督と仕事をする2作目でしたが、オフラインおよびオンライン編集の両方でDaVinci Resolve Studioを使用したのは初めてでした。DaVinci Resolve Studioへの移行はカラリストの勧めで決定しました。主な理由は、彼がそれまで他のシステムで抱えていた再リンクの問題を排除するためです。
私はこれまでも、カラーグレーディングと、フィニッシングに関連するわずかな編集にDaVinci Resolve Studioを使用してきましたが、メインの編集アプリケーションとして使用したプロジェクトは「Rea…

Blackmagic Designの発表によると、コマーシャル、テレビ番組、長編映画の分野で豊富な経験を持つエディター兼カラリストであるオリバー・ピーターズ氏が、ドキュメンタリー作品「The Real Yellowstone」の編集にDaVinci Resolve Studioを使用したという。
ピーターズ氏は、受賞歴のある監督であり、人権活動家でもあるトム・オプレ氏から、同氏のドキュメンタリー作品「Killing the Shepherd」の再編集の依頼を受けたことをきっかけに、オプレ氏のその後の2作品「The Last Keeper」および「The Real Yellowstone」を編集する契約を結んだ。これらの作品は、本当の意味での自然保護とは、野生動物に最も近い環境で生きる人々への敬意から始まることを伝えている。
ピーターズ氏は次のようにコメントしている。
ピーターズ氏:「Real Yellowstone」は、私がオプレ監督と仕事をする2作目でしたが、オフラインおよびオンライン編集の両方でDaVinci Resolve Studioを使用したのは初めてでした。DaVinci Resolve Studioへの移行はカラリストの勧めで決定しました。主な理由は、彼がそれまで他のシステムで抱えていた再リンクの問題を排除するためです。
私はこれまでも、カラーグレーディングと、フィニッシングに関連するわずかな編集にDaVinci Resolve Studioを使用してきましたが、メインの編集アプリケーションとして使用したプロジェクトは「Real Yellowstone」が初めてでした。
「Real Yellowstone」は、高騰する不動産価格、捕食動物による被害、そして彼らが暮らす環境を変えようとする強力な自然保護運動という、複雑な闘いの渦中に立たされた牧場経営者の家族たちの姿を描いている。
ピーターズ氏:これは、アメリカ西部の近年の暮らしをありのままに映し出した作品であり、テレビのフィクションで描かれるものとは大きく異なります。
ドキュメンタリー作品として、あらゆる立場からの声に耳を傾け、それぞれの視点を描き出し、時には一般的な考え方に一石を投じるような気づきを促せるように努めました。

映像と音で物語を書く
脚本に基づくドラマとは異なり、ドキュメンタリーには好奇心と学びの要素が含まれると、ピーターズ氏はコメントしている。
ピーターズ氏:今まで知らなかったことを、知ることができます。西部の州に住んだことのない自分にとって、その地域特有の様々な問題について知ることができました。映画編集者にとって、ドキュメンタリーは物語を伝えるための乗り物のようなものであり、言わば映像と音で物語を書く行為なのです。もちろん、物語を語るのは監督ですが、編集者は他のジャンルでは得られない形で作品を形づくる重要な役割を担っています。
制作は2年間にわたって行われ、プロ仕様のカメラ、スマートフォン、ドローンで撮影されたイベント、インタビュー、Bロールなどのほか、ストック映像、スチル、アニメーションなど、膨大なコンテンツが取り込まれた。
ピーターズ氏:作業をシンプルに保つために、1つのDCI 4Kタイムラインで、すべてプロキシメディアを使用しました。オリジナルと同じサイズおよびフレームレートのものです。プロジェクトをカラリストに渡す際も、ファイル変換や再リンクなどの煩雑な作業は不要でした。
編集のほとんどは、シンプルなカット、ディゾルブ、クリップのスケーリング、トラッキングだったが、ピーターズ氏はDaVinci Resolve Studioの標準テキストツールを使用して、すべてのオープニングタイトル、ローワーサード、エンドクレジットも作成した。また同氏は、DaVinci Resolve StudioのFairlightページに搭載されたEQやコンプレッサーなどの基本的なトラック処理機能を用いて、音楽クリップの編集および配置も行って仮のミックスも作成した。
ピーターズ氏:作曲家のポール・マウンシー氏から提供されたオリジナルの音楽素材をもとに、スコアを仕上げていきました。クリップのレベル調整はエディットページで行い、Fairlightページに移動して各トラックを微調整するのが良いですね。例えば、すべての会話音声トラックに共通するEQやコンプレッサー設定などです。音楽も同じです。
DaVinci Resolve Studioは、オールインワンツールで、編集、エフェクト、カラーコレクション、オーディオポストを簡単に扱えます。私の主な作業はクリエイティブな編集ですが、他のツールがあるのは便利でしたね。編集処理全体を通して、無数のサイズ変更が必要でした。多くの6K映像でパンチインを行い、すべてのスチル写真に自分でカメラワークを加えました。それらのタスクは両方DaVinci Resolve Studioのエディットページで行いました。

同氏は、制作チーム内で行うレビューにおいて、DaVinci Resolve Studioの充実した機能セットから大きな恩恵を受けたという。
ピーターズ氏:最終的なカラーやミックスを行ったのは私ではありませんが、トム(オプレ監督)が出資者たちにラフカットを見せて意見を聞く際は、映像とサウンドが優れた品質であることが重要でした。
オフライン編集の多くで、Logで表示されたプロキシ映像を使用しました。それらのレビューにおいては、DaVinci Resolve Studioのカラーページに切り替えて若干のカラーコレクションを加え、映像をさらに洗練されたものにしました。メモを取るためにレビューする際も、音や色など、観ている人を作品の世界から引き離してしまう可能性のある要素を少なくすることが重要なんです。
編集が完成してロックされたあとは、Baked Studiosのカラリスト、マット・ハートル氏がDaVinci Resolve Studioを使用して、フル解像度メディアをグレーディングした。さらに、アシスタントエディターのロブ・デューバー氏が、同じくDaVinci Resolveを使用して、最終的な作品をテキストのない複数のDCI 4Kセクションとしてレンダリング出力した。
ピーターズ氏:それらのファイルとミキシングが完了した最終的なオーディオトラックが一緒に送られてきました。私は最後の仕上げとして、DaVinci Resolve Studioのカラーページでいくつかの顔をトラッキングしてブラー処理をしました。そして、それらの素材を本ドキュメンタリー作品の最終バージョンとして組み立てました。
はじめから終わりまですべての作業をDaVinci Resolve Studioで行ったので、他のほぼあらゆるオフライン/オンラインワークフローより編集とカラーの情報交換が容易でした。XMLやEDLなどは不要で、スチルにおけるKen Burnsスタイルの動きなどクリエイティブな選択も正しく変換されました。
たしかに、最初のうちは、DaVinci Resolve Studioの基本的な機能は信頼していた一方で、様々なソースから集まった膨大なメディアファイルを扱いながら長編映画を編集するという作業に、本当に対応できるのかどうか疑問に思っていました。しかし、結果は、とても快適で満足のいく編集体験になりました。
DaVinci Resolve Studioを初めて見ると、新人エディターはその機能の多さにたじろぐかもしれませんが、使用するのは簡単です。あらゆるレベルのあらゆるエディターに対して、DaVinci Resolve Studioは他に負けないエンド・トゥ・エンドのワークフローを提供してくれます。
トム・オプレ氏が創設したShepherds of Wildlife Societyの詳細は、こちらをご参照のこと。
