霧ヶ峰のセピア色の午後 (opens in new tab)
霧ヶ峰の冬の空は、どこか現実離れしている。 青は深く、雪は白すぎるくらい白い。まるで色のコントラストを少し強めた古い写真みたいだ。 車山肩の駐車場を出て、僕たちはゆっくり雪の上を歩いていた。スノーシューを履いていたけれど、その日の雪はよく締まっていて、実際のところあまり必要ではなかった。ただのんびりしたスノーハイクだった。 風はほとんどない。遠くの空だけが広い。 僕は立ち止まって、空を見上げた。 「年齢を重ねると、時間の流れが速くなるって言うよね。」 彼女はストックを雪に刺したまま、少し考えた。 「そうね。」 「最近、それをすごく実感するんだ。」 「どんなとき?」 僕は少し言葉を探した。 「見…
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